矯正治療を考えられている方へ
矯正治療には長期間の時間が必要です。治療費も自費ですので高額となります。そのために矯正治療を受けたいと考えられている方にとっても、いったいどこで受けたらよいのか?いつからはじめたらよいのか?と悩みはつきません。

ここでは、院長が考えるいくつかのキーポイントを紹介させていただきます。

20071018195422.gif 矯正歯科専門の医院ですか?認定医などのライセンスをもっておられますか?

矯正治療は歯科の中でも大変特殊な分野です。歯科医を養成する大学では矯正治療についての授業や実習はありますが、卒業直後の歯科医は実際の矯正治療はほとんどできません!私はかつて10年間、一般歯科医としてキャリアを積んだ後、大学の矯正科に入局しました。矯正科での研修は卒業直後の医局員(自分より10歳若い歯科医)と机を並べて行いました。当時の私は矯正治療についてもある程度の知識や技術を持っているつもりでしたが、専門家レベルでは単なる初心者と同じ状態だったのです。

矯正歯科専門の先生方は、大学や矯正専門医である程度の研修を受けられ、矯正治療に自信があるため専門で開業されています。その他の矯正治療を行う技術と知識を保証するライセンスには日本矯正歯科学会が認定する認定医制度があります。

もちろん一般歯科で開業されている先生方の中にも、独自に努力され研鑽をつまれている方がいらっしゃいます。しかし、残念ながらその数は一部でしかありません。

20071018195422_1.gif 矯正治療には数多くの方法があることをご存知ですか?

矯正治療の方法や考え方には、たくさんの流儀があります。永久歯が生えたての子供さんと生えそろった思春期のお子様、あるいは永久歯のみの大人に対しては治療方針や方法は当然異なります。また、同じ年齢であっても歯の大きさ、顔や顎の形で千差万別です。

例えば「歯を抜くべきか?抜かないか?」という1点についても専門家の間では何十年も前から論争が続いています。使う器具についても取り外しのできる床装置を好んで使用される先生、固定式の装置に固執される先生、と様々です。

こういった方法や考え方の違いのうち、はたしてどれが一番よいのか?という疑問に対する答えはいまだ出ていません。専門家の私でさえそうなのですから、一般の患者様には区別がつきません。ただ私個人は、唯一の考え方や方法を強調される先生方に対して、人間の身体はそんなにシンプルなものかという疑問を持っています。個人個人で身長、体重、顔かたちが違うように歯や顎、唇、舌などの形には大きな個人差があります。複数の方法のメリット・デメリットを幅広く説明していただける先生が信頼できるのではないでしょうか。

20071018195422_2.gif 早く治療しないと!とんでもないことに!・・・なるのでしょうか?

お子様の矯正治療はいったいいつから始めればよいのでしょうか?この議論も専門家の間で続いているものです。「このままほっておいたら取り返しのつかない歯ならびになりますよ」というのは歯科医の脅し文句としては上等ですが、実際にはそこまで単純ではありません。

しかし、私の意見は「早ければ早いほどよい」と考えています。ただし、実際に治療を受けるかどうか、矯正装置をいれるかどうか、は別としてです。日々わが子と向き合われているご両親の方は良くわかると思いますが、子供さんの成長変化は眼を見張るものがあります。私も定期健診で診させていただいているお子様のお口に中に、毎回毎回新しい発見があるほどです。

お子様に対する矯正治療は成長変化を考えずにはおられません。変化は一度診させていただいただけではわかりません。矯正治療を始める始めないは別として、継続して診させていただくだけでもよいので早くから、そして長くというのが私の考えです。

20071018195422_3.gif 「私が気になっているのは前歯のココだけなんだけど」

小矯正(Minor Tooth Movement:マイナーな矯正治療?)という治療があります。「並びのおかしい1本から数本の歯のみを治す」という治療法です。全体の歯ならびを治すのではなく数本だから「小」で「マイナー」なのでしょうか。私が大学卒業後、歯周病治療を専門としていた頃に着手した矯正治療はまさに小矯正でした。なるべく簡単な装置を使って数本のみを治せばよいわけです。

全体は難しそうだけど数本なら簡単!なはずですが、現実は大変難しい治療です。歯ならびは全体のバランスの上で成り立っています。1本あるいは数本がズレている場合は必ず全体にひずみがあるはずなのです。また、ほとんどの矯正装置が相互作用(歯と歯の引っ張り合いや押し合い)を利用しています。たった数本の歯を動かすためにもたくさんの歯に装置をつけます。矯正治療では動かしたくない歯を動かさないことが実は難しいのです。

小矯正を行うには全体の矯正治療を行うと同じく大変綿密な計画が必要です。さらに矯正治療のみでなく詰め物や被せ物のやりかえなど、様々なテクニックを使わなければなりません。

20071018195439.gif 何歳になっても矯正治療ははじめられますか?

かつて矯正治療は成長期のお子様に行うものでした。しかし、現在では多くの成人の方が矯正治療を受けておられます。「矯正治療は何歳になってもはじめられますか?」という問いに対する答えは「イエス」です。ただし、「十分注意して」行う必要があります。

歯周病をもっておられる成人の方がたくさんおられます。軽症の歯肉炎であれば、歯科医院での治療とセルフコントロールにより治ります。しかし、初期の歯周炎であっても歯周病の再発のリスクがあります。矯正治療自体はどうしてもそのリスクを高めてしまいます。矯正治療中でも歯周病のコントロールを欠かさないことが必要です

中等度以上の歯周病では、歯周病自体をコントロールすることが困難になります。しかし、コントロールに成功すれば、歯周病の進行を止めるために歯を動かすことが大変有意義な治療になります。